ギロック :こどものためのアルバム サラバンド

Gillock, William:Album for chirdren Sarabande

作品概要

楽曲ID:45158
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分40秒
著作権:保護期間中

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎5 応用1 応用2 応用3

楽譜情報:4件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (881文字)

更新日:2018年3月12日
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15.サラバンド

バロックのサラバンドの奏法よりも少しだけ自由に弾いて良いと思います。平坦にならないように注意することが最も大切なことかもしれません。1-16小節間がAとするのであれば、この16小節間には2つのフレーズがあり、それぞれ8小節単位で分けることができますね。1-8小節間のメロディラインを見てみましょう。Cから始まり、次はH、3小節目がA、4小節目がG、次にF、E、DC、最後にHで終わり、つまりは音階を順次進行で下行していることがわかります。もしも最後のHが一番音量的には弱いと考えるのであれば、逆算して、Cから徐々に音量を下げていったときに辻褄が合うように、Cを少し大きめに弾いておくと良いでしょう。

全体を通じて注意することはペダル記号かもしれません、例えば2小節目と6小節目、ギロックはわざわざ1拍目にペダルを離すように指示しています。これは、たとえ1拍間でもペダルを踏みっぱなしにすると、濁りが生じるからで、察するに、そこまでロマンティックではなく、もっと粛々としているのかもしれません。

途中の16分音符は語りかけるように弾きたいので、メトロノームのように正確になるよりは少しだけルバートをかけても良いと思います。8小節目、2拍目はメロディラインではありません。その音はレゾネンス(余韻)です。ppで弾いてください。1小節目からと9小節目からではダイナミックが異なります。mp と mf を守ります。

17小節目、Bセクションに入り、深刻な雰囲気のAセクションとは打って変わって、夢うつつな平和なメロディが流れます。過去の穏やかな場面を思い出しているような心理です。同じくメロディラインは下行していますが、24小節目にはcrescendoがかかっていますので、この場合、最後のEがゴールの音となります。辛い現実に戻されるような雰囲気です。25小節目以降は17小節目からのエコーになります。

33小節目、かなり大げさにゆっくりとアルペジオを弾いてください。音も大きくて構いません。最後の和音は再びレゾネンスですので、pまたはppで弾くと良いでしょう。

執筆者: 大井 和郎