ベートーヴェン :ヴァイオリン・ソナタ 第5番「春」 第1楽章 Op.24

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier und Violine Nr.5 "Frühling" Mov.1 Allegro

作品概要

楽曲ID:44968
楽器編成:室内楽 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:9分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 丸山 瑶子 (363文字)

更新日:2023年12月19日
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ヴァイオリンが最初に旋律声部を担い、前の時代の「伴奏付き鍵盤ソナタ」とは完全に異なるオブリガート・ヴァイオリンとピアノのための二重奏ソナタであることが曲の冒頭からはっきりと示される。

 形式面で注目される点はいくつかある。第一に、アレグロのソナタ形式ではあるが主要主題は快活、副主題は歌唱的という典型とは逆で、主要主題が優美で副主題が活発という性格になっている。第二の点は展開部とコーダの比重である。両者はほぼ同じ長さがあり、展開部は副主題の素材を用いた単純な音形の繰り返しで短く済まされるのに対し、コーダは主要主題の冒頭旋律が中心的というように、二つのセクションが対等になっているのである。この点はモーツァルト世代とは異なる傾向といえよう。コーダに入る時の半音進行(F→Fis)による転調も、目を醒させるような衝撃を与える。

 

執筆者: 丸山 瑶子

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