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松平 頼暁 :ミケランジェロの子犬

Matsudaira, Yoriaki:Michelangelo's Pup

作品概要

楽曲ID:4453
作曲年:1993年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:2分10秒

解説 (2)

解説 : 須藤 英子 (461文字)

更新日:2018年4月24日
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《ミケランジェロの子犬》は、1993年に作曲された。“ミケランジェロ” とは、当時流行していたコンピューター・ウィルスの名前である。 曲の冒頭は、ショパンの《子犬のワルツ》のメロディから始まる。しかし、その優雅な旋律はすぐに変形され、激しく拡散してしまう。錯乱状態の中、突如また姿を現すその美しい調べ。断片化された《子犬のワルツ》が、至るところに組み込まれながら、曲は破天荒に展開する。

楽譜では、原曲《子犬のワルツ》の部分は黄色、半音階的な旋律はピンク、大音量の和音は 緑、小音量の和音は青、そして跳躍の多いフレーズはオレンジなど、音符にカラフルな色付けが施されている。塗り分けに使われた色鉛筆は、初演したピアニスト・中村初枝のヨーロッパ土産である塗り絵「ミケランジェロの名前」に付属の色鉛筆であったという。

作曲者の松平頼暁は、総音列主義や不確定性などの前衛的な音楽を吸収しながら、独自の作曲技法を開拓してきた。この作品では、既成の作品から音楽を引用する技法を用い、様々な事象がまったく無関係に生起する在り方を描いている。

執筆者: 須藤 英子

About work(s) : 須藤 英子 (1161文字)

更新日:2018年4月24日
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