《イン・メモリー・オブ・ジョンケージ》は、 作曲者の一柳慧が、多大な影響を受けた世紀の芸術家ジョン・ケージを追悼して、1993年に作曲したピアノ曲である。翌年東京で開かれた「ジョン・ケージ・メモリアル・コンサート」 において、作曲者自身により初演された。

深い静けさと随所に挿入されるトレモロ、そしてメロディアスな音型が、ケージへの深い想いを吐露していく。曲の最後では、ケージが考案した内部奏法を用い、その名前の文字をなぞって、C（ド）－ A（ラ）－ G（ソ）－ E（ミ）の弦が微かに鳴らされる。その響きが長い余韻の中へと消えていき、曲は幕を閉じる。