バッハ :パルティータ 第3番 スケルツォ BWV 827

Bach, Johann Sebastian:6 Partiten Nr.3 Scherzo

作品概要

楽曲ID:39168
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:スケルツォ
総演奏時間:1分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展5 展開1 展開2

楽譜情報:13件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (673文字)

更新日:2023年4月16日
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「スケルッツオ」というのは形式名ですが、昨今のそれは、バロック時代の意味合いとは大きく変わってきています。スケルッツオという言葉自体、イタリア語で「冗談、遊び心のある」という意味があります。多かれ少なかれそのような言葉の影響を受けた曲になっていると感じます。

さて、主題がアーフタクトから始まり(ECA)、2小節目の2拍目まで(DCHA)と仮定します。不思議なことに前半には冒頭の1箇所しか主題は出てきません。

後半はと言うと、12小節目2拍目、14小節目2拍目、20小節目2拍目、22小節目2拍目、28小節目2拍目と、5つの異なった主題が出てきます。このスケルッツオの演奏の面白みは、これら主題の演奏法で、全部で6つある主題がそれぞれ異なった表情を見せるように演奏することです。

例えば冒頭のa-mollの主題は、伴奏が和音なので、強い印象を受けるかもしれません。そうであれば、28小節目の2拍目もa-mollに戻るので、この2つは割と強い表情で良いかもしれません。

同じく和音の伴奏で出てくる主題は12小節目の2拍目から始まるC-durの主題ですが、a-mollと比べてC-durの主題はどのように変化させるべきでしょうか?また、次の14小節目の主題は、d-mollですが、和音が基本形ではありませんね。第1転回形で書かれており、少し華奢な感じも受けますね。

20小節目2拍目、22小節目2拍目、は、下行形シークエンスです。徐々にディミヌエンドでもかまいません。

このように、主題が出てくるたびに、主観的でかまいませんので、表情を変えてあげると良いです。

執筆者: 大井 和郎