バッハ :パルティータ 第3番 サラバンド BWV 827

Bach, Johann Sebastian:6 Partiten Nr.3 Sarabande

作品概要

楽曲ID:39166
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:サラバンド
総演奏時間:3分40秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:F級級

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:11件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (594文字)

更新日:2023年4月16日
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このサラバンドは、後半の一部分を除き、主に左手は、バス音(保続音)をリピートするだけの役割を果たしています。別の言葉で言えば、右手は2声体で書かれており、こちらの方がより人の耳に入っていくということです。

従って、このサラバンドの演奏のヒントとして、1つは、右手2声を独立させて聴かせるという事が挙げられます。例えば5小節目、ソプラノが動いていて、6小節目は逆にアルトが動いていますね。この際にこれら、動いている方の声部が同声部に聞こえないようにしなければなりません。

7小節目は6小節目の動きの続きとしてアルト、ソプラノともに動きがありますが、このようなときにも、ソプラノとアルトを独立して聴かせるようにします。

基本的にはソプラノをきらびやかな音質と音量で、アルトはおとなしい音質と音量で演奏することで独立させて聴かせることが可能になります。ですから、5小節目はソプラノを出し、6小節目のアルトはおとなしく静かに弾くことで、声部は独立します。

このサラバンドはまた、版によって装飾音が書かれていたり書かれていなかったりしますが、装飾音は自分で即興的に入れてしまってもかまわないと思います。多くの版を参考にしてみて下さい。例えば最初は装飾音無しで演奏し、リピートの際に装飾音を入れるという繰り返し方も1つの方法だと思います。全く同じように弾くより、このようになにかしらの変化がある方が良いです。

執筆者: 大井 和郎