作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(762 文字)
更新日:2023年4月16日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (762 文字)
大変層の厚いアルマンドです。基本的には4声体です。2小節目、3拍目でC-durに転調した感じにも取れますが、一時的なものとしてもかまいません。いずれにせよ1小節目の1~2拍間で上行した緊迫感は3~4拍間でピークとなり、2小節目の3拍目で落ち着きます。
2小節目4拍目からは再びシークエンスで上行し、4小節目3拍目にてカデンツになります(終止形)。4拍目からはC-durに急に移行した感じもありますので、ここではカラーを変えます。
5小節目、3拍目から再び上行形のシークエンスが始まり、6小節目、2拍目で、前半では最高音のCに達します。さてこのCの位置が、ピークポイントであるかどうかは奏者に委ねられます。
和声的にお話をしますと、7小節目4拍目のソプラノAisの部分の方がテンションが高いと個人的には感じます。前半は、e-mollに転調しそのままカデンツ(ピカルディー)を迎えたと判断して良いです。
もうお気づきと思いますが、前半の流れとしては、1つのシークエンスが上行し、そこから少し下行してカデンツを迎えます。それを3回繰り返しているのですが、1回毎に徐々にピッチが上がっていていますね。それを踏まえてダイナミックを決定していきましょう。
同様に後半も分析して流れを把握しましょう。
なお、声部の独立に関してですが、例えば、10小節目をご覧下さい。3拍目で、耳は、右手のFGAD を聴き取ることになり、実際に書かれてある、FGA と D は別声部ではあるのですが、普通に演奏するとどうしても、FGADと聞こえます。同じく、11小節目1拍目右手、EFGCと聴こえますし、同じく11小節目3拍目、DEFB と聞こえます。つまりはそれを想定している書き方ですので、このアルマンド全体は、そこまで声部の独立を目指す必要も無いかもしれません。
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