作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(809 文字)
更新日:2023年3月17日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (809 文字)
割と16分音符が多く出てくるサラバンドで、落ち着いた感じよりも常に動いている感覚がします。このサラバンドで注目すべきはテーマの種類です。仮にテーマを1小節目1拍目から3拍目までと仮定します。1小節目以降も見てみますと、この場合、c-mollからは転調せずに4小節目でc mollのドミナントで1回目のフレーズの切れ目となります。
5小節目を見てみましょう。1小節目のテーマが2拍目から3拍目に5度で跳躍をしているのに対して、今度はテーマは3拍目で7度も跳躍してしまいます。そして最後はEs-dur の主和音で終わりますね。
皆さんは1つめのテーマ(1小節目)と2つめのテーマ(5小節目)ではどちらがよりテンションが高いとお感じになりますか?
さて9小節目をご覧下さい。Es-durに転調した状態から始まります。今まではその調の第3音からテーマが始まっていましたが、9小節目では、テーマは第5音から始まります。今度は2拍目から3拍目の跳躍は6度になります。第5音から始まり2拍目の最後の音から6度跳躍すると丁度主音になりますね。とても落ち着いた感じがしませんか?
13小節目一時的にg-mollに転調した状態でテーマが始まります。第3音から始まり今度は2拍目から3拍目は跳躍では無く2度の順次進行になります。しかしこの13小節目の3拍目のDは、下の伴奏部分がFとAのナチュラルであり、テンションは割と高い方ではないかと思います。
17小節目、c-mollに戻りますが、2拍目から3拍目の跳躍は6度で、次の小節ですぐにf-mollに転調したような感じを受けますね。
これら、5つのテーマは、全く異なった雰囲気を作ります。そしてそれを表現してあげることが大切です。どのテーマがテンションが高く、どのテーマが温かみがあるか、等、色々感じて、そしてその先々の事も考慮して、音質やダイナミックを決定していって下さい。
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