作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(750 文字)
更新日:2023年3月17日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (750 文字)
このクーラントは伴奏系の低音が絶え間なく進み、右手は左手の倍の速度で進行します。声部の独立に対する考えはほぼ不必要で、右手声部と左手声部はそのまま弾いても独立します。
従って、このクーラントに必要なのは「方向性」です。例えば大きく見たとき、1~24小節間、どこがピークポイントになるでしょうか?音の高さから見れば、17小節目、右手のAsが最も高い音となりますので、ここを見てみましょう。手前の16小節目は9小節目から始まる、1小節毎の上行形シークエンスの最後のカデンツでもありますが、Es-durで終わっていますので、考え方としてはそこまでテンションは高くないかもしれません。
逆に、17小節目から始まるシークエンスを考えたとき、17~18小節間で1つ、19~20小節間で1つ、合計2つの下行形シークエンスとなりますので、いずれにせよ17小節目をピークポイントとしてかまわないと思います。
もう1つの可能性としてはこの1~24小節間で、24小節目の和音は、23小節目から始まるg-moll のピカルディー(短調の音楽が長3和音で終わる終止形のこと)として考えると、この最後の和音 はg-mollのピカルディーとしても聞こえますし、c-mollのドミナントとも聞こえ、いずれにせよテンションは高いので、21小節目から始める1小節毎の下行形シークエンスでありながらも、クレシェンドをかけて到達することに全く違和感を感じませんね。
いずれのケースにせよ、聴衆には方向性を感じさせるような演奏が望ましく、以上のような分析をすることで、方向性を決めて下さい。後半も同じように分析を進めて下さい。50小節目にはこ のクーラントの中で最高音であるCが登場します。ここをピークポイントとしても良いでしょう。
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