バッハ :イギリス組曲 第6番 アルマンド BWV 811

Bach, Johann Sebastian:Englische Suiten Nr.6 Allemande

作品概要

楽曲ID:39116
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:アルマンド
総演奏時間:4分40秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5

楽譜情報:15件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (676文字)

更新日:2024年2月19日
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完全なる4声体や3声体の曲に対し細心の注意を払う人でも、この手の、箇所によって声部数が異なる曲に対しては、配慮に欠ける演奏をしがちです。

このアルマンドはとにかく「声部の独立を目指すこと」に尽きます。声部の独立を目指すには、2つの事柄に注意します。

1つは、声部同士が入り乱れることで、聴き手がどの声部であるか解らなくなってしまわないように気を遣う事です。例えば17小節目、ト音記号にはソプラノとアルトがありますが、聴き手が、G GFEsFG CFisGA DBABEsAGときこえてしまっては本末転倒です。聴き手は、 GFEsFG FisGA DEsAG と聴くべきであり、それには音量と音質をソプラノとアルトで変えていかなければなりません。

2つ目は、各声部のシェーピングにあります。23小節目を例に取ります。

3拍目アルトにはFの4分音符があり、4拍目でCisに降りますが、Cisは導音ですので、24小節目のDに解決すると考えなければなりません。この、F-Cis-D というアルトの声部や、4小節目1~3拍間のアルト、C-E-F というライン、共に、最後の音が解決音になっていますので、この最後の音にはアクセントは不必要ですが、それ以前に、この3つの音を全く同じ音量で機械的に弾く演奏は、奏者のポリフォニー的な考えが足りないために起こります。

自分はバッハになれていると思っていらっしゃる方々も、一度でも良いので、1声ずつ、ソプラノ、アルト、テノール、バス、と、それぞれの声部を単旋律で弾いてみて下さい。どこでどうしなければならないか、クリアーになります。

執筆者: 大井 和郎
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