このサラバンドは、3声で書かれておりますが、バスの動きを見る限りでは、他の声部に頼っていて、完全に独立している訳ではありません。2小節目のバスは、7度の進行をしており、通常の進行ではありません。

アルトはと言いますと、これも7小節目2拍目から突然消えてしまうような事が起き、完全に独立はしていません。

故にソプラノが主旋律であり、後の2声は、サポートをしている位に考えます。主旋律の特徴としては、Aから下行してくる旋律が印象的です。1小節目、3小節目、7小節目がそうです。1小節目はF-durの状態を保ちますが、3小節目からの旋律はC-durに行ったか、あるいは借用和音として一時的な物と考えるかどちらかです。7小節目では、d-mollに転調したと言って良いでしょう。

このような、同じ3つのフレーズでも、行き先が全く異なります。その違いを、音質や音量を変えて付けてみて下さい。