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シューベルト :ピアノ・ソナタ 第11番 中間楽章(スケルツォ) D 625 ホ長調

Schubert, Franz:Sonate für Klavier Nr.11 Scherzo: Allegretto E-Dur

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:4分38秒
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解説 (1)

解説 : 髙松 佑介 (621文字)

更新日:2019年4月28日
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スケルツォ:アレグレット、ホ長調、4分の3拍子

主部(ABA’)―トリオ部(CDC’)―主部のダ・カーポという、舞踏楽章に典型的な複合三部形式を取る。

主部のA部はホ長調で始まり、8小節の楽段を一まとまりとして、同じリズム形がもう2回繰り返され、ロ長調に終止する。この冒頭24小節は、左手が旋律を引継ぎ、右手が音階による新たな伴奏音形を担うよう変奏された形で、もう一度奏される。

B部はロ音から半音離れたハ音で始まり、これを属音としてヘ長調で進行する。第61小節では、八分音符の分散和音を取る左手の伴奏に支えられて、新たな主題が右手に現れる。両手が交代すると異名同音による転調を重ね、第87小節において主調で冒頭主題が回帰する。この主題再現(A’部)では、最初の8小節は変奏なし、次の8小節は右手が音階を奏する変奏形、そして最後の8小節は主調に留まるよう和声的に調整された変奏形で冒頭の24小節が回帰し、主部を閉じる。

動的な八分音符による主部に対して、トリオ部は二分音符と四分音符を主体とする。C部はイ長調に始まり、ホ長調へと転じる。トリオ部の中間部であるD部は、ホ長調より長三度上のト長調で始まり、6小節の間に短2度下の嬰へ長調へと転調する。この6小節(ト長調―嬰へ長調)は、長三度上(ロ長調―嬰イ長調)でゼクエンツとして繰り返され、更に長三度上の嬰ニ長調を読み替えた変ホ長調で総休止となる。これに続き、C部の主調が回帰してトリオ部を締めくくる。

執筆者: 髙松 佑介