シューベルト :ピアノ・ソナタ 第10番 第2楽章 D 613

Schubert, Franz:Sonate für Klavier Nr.10  *in preparation*

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:8分00秒

解説 (1)

解説 : 髙松 佑介 (647文字)

更新日:2019年4月28日
[開く]

速度標語なし、ハ長調、8分の6拍子

上述の通り、自筆の下書きには速度標語が欠けているが、動的な8分の6拍子からはアレグレットが想定されよう。本楽章も、大枠では第1楽章と同じようなソナタ形式を取っている。

第1主題領域はハ長調を取る。8小節の主題のあと、ホ短調の旋律が中間部のように現れ、シューベルトに典型的な長短調のせめぎ合いが見られる(第14小節)。冒頭主題が主調で回帰して、第1主題領域を閉じる。第1主題領域が三部形式を取る点は、冒頭楽章のソナタ形式より中間楽章の形式や最終楽章のロンド形式に近似している。

第1主題領域に続き、ファンファーレ風のハ短調の楽節が力強く鳴り響く(第32小節)。この楽節が変ホ長調で繰り返され(第36小節)、移行部を挟んで変イ音に辿り着くと、それを異名同音で嬰ト音と読み替え、第2主題領域がホ長調で提示される(第47小節)。この穏やかな第2主題がひとしきり続くと、ハ長調(第65小節)を蝶番としてト長調がほのめかされる(第68小節)。完全終止を経て、ト長調で第3主題兼コーダが現れて提示部を閉じる。このように、冒頭の主題と提示部を締めくくる主題の間に三度調が挟まれる構造は、第1楽章と相似する。

展開部は変ホ長調で始まる。変ニ長調(第105小節)のセクションを挟み、第121小節でト長調が現れると、ハ長調での再現が予示される。自筆譜には第126小節から左手の記載がなくなり、第134小節の第1音であるト音(再現部の第1音と考えられる)が書かれたところで筆が置かれている。

執筆者: 髙松 佑介
現在視聴できる動画はありません。  

楽譜 (2件)全件みる