ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 18の性格的な練習曲 別離 Op.109-16
Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 18 Etudes de genre (faisant Suite aux Etudes faciles op. 100) La Séparation Op.109-16
作品概要
解説 (2)
演奏のヒント : 大井 和郎
(927 文字)
更新日:2022年11月15日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (927 文字)
筆者はこの曲の標題と、実際に奏でられる音をどのように結びつければ良いのか判らないのですが、この曲を演奏するにあたり、気に留めておかなければならないことが1つあります。
メロディーラインが左手に来ていて、右手は伴奏形という図式は明らかではありますが、その右手の伴奏形が伴奏形以上に1つの声部として登場する場面がいくつかあり、そこをどのように理解するかという事が演奏のヒントになります。
最も簡単な例で言えば4小節目、これまで和音の伴奏の役目が殆どだった右手に変化が起きます。
一番上の音だけを抜粋すると、G C F B となりますね。
また、6小節目、一番上の音だけを抜粋するとEs Es Es F ですが、右手和音の真ん中の音だけを抜粋すると、B H C Cになりますね。4小節目はともかく、6小節目のような、上の声部でも、和音の真ん中の声部でも、メロディーラインとして聴き取れるのであれば、どちらの声部を重要視するかというのは奏者に委ねられます。この辺りは自由です。
つまりは、左手だけを優先せず、右手に声部が出てきたらそれはそれで尊重をしてくださいという意味です。
さて、11~12小節間をご覧ください。ここの右手の和音の一番上の音だけを抜粋すると、2小節間で、C D Es G C C H B ですね。また、和音の真ん中の声部でも良いですし、和音の一番下の音を声部として捉えても無理はありませんが、時に、必ずしも同じ声部をフォローするとも限らない事をご承知置きください。
筆者はこの11~12小節間の右手のメロディーラインは、C D Es G C Fis G D だと思っていま
す。つまり、11小節目から12小節目の1拍目までは、和音の一番上の音、2拍目から3拍目まで和音の真ん中の音、そして、4拍目では和音の一番下の音になります。これはランダムに抜粋したわけではありません。
この、11~12小節間の、C D Es G C Fis G D は、1~2小節間のメロディーラインである、Es
G B H C A B Esと音程関係がほぼ一致するからです。ブルグミューラーは1~2小節間のメロ
ディーラインを意識して、11~12小節を書いている事は想像に難しくないですね。
解説 : 佐藤 卓史
(457 文字)
更新日:2022年1月31日
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解説 : 佐藤 卓史 (457 文字)
「25の練習曲」の第12曲『別れ』の原題は L'adieu、「さらば!」という永遠の別れの挨拶でしたが、この『別離』の原題は La séparation、物理的に離れることを意味します。どういう意味合いが込められているのかはわかりませんが、もの悲しい『別れ』とは全く違う、うきうきするような前向きな曲です。もしかしたら、右手の連打の「分離の良さ」を示しているのかもしれません。
演奏のポイント(原典 ♩=152)
1曲を通してリズムパターンに変化がなく、右手は拍頭が休みの3連符で和音を軽く連打します。ポイントはやはり手首の使い方です。『陽気な少女』や『森の中の目覚め』をおさらいしておきましょう。 5小節からは和音の真ん中の音をしっかり打鍵する ことが重要です。さまざまな変化音が用いられていますが、終わり近くに現れるド♭、すなわち半音下がった第6音は「モルドゥア」といって、同主短調から借りてきた音です。少し寂しげな雰囲気があり、曲の末尾によく使われます。
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