ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 18の性格的な練習曲 ジプシー Op.109-4
Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 18 Etudes de genre (faisant Suite aux Etudes faciles op. 100) Les Bohémiens Op.109-4
作品概要
解説 (2)
解説 : 佐藤 卓史
(503 文字)
更新日:2022年1月31日
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解説 : 佐藤 卓史 (503 文字)
私たちにとっては馴染みの薄い「ジプシー」(ボヘミアン)は、ヨーロッパでは今でもよく見かける存在です。定職を持たず、定住せず、地域社会にも溶け込まずに暮らしている集団。その芸能文化は実に魅力的で、サラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』をはじめとしてクラシック音楽にも多く採り入れられてきましたが、ごく一部には盗みなどを働く者もいたので、ジプシーを忌み恐れる人もいました。生気なく下へ引きずられるようなこの曲は、ジプシーの暗い側面を描いているように思われます。
演奏のポイント(原典 ♩=152)
スタッカートの和音の中で、声部間のバランスを取ることがこの曲の練習課題です。1小節では上声のドよりも動きのある内声にスポットを当てますが、2小節ではやはり上声がメロディーを担当します。耳をよく働かせて、よいバランスになっているかを瞬時に判断しましょう。スタッカートの長さはどのくらいがよいでしょうか?9小節からのスラースタッカート(ポルタート)との違いも意識したいものです。2拍目にアクセントがつく小節が多いですが、その際の1拍目は軽く弾くようにしましょう。
演奏のヒント : 大井 和郎
(730 文字)
更新日:2020年11月30日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (730 文字)
全体の流れ:
Allegro non troppo と標示されています。適度に速く、しかし速すぎないようにという事ですね。この曲は4/4拍子で、一番最後の小節を除けば、必ず各拍に音符が書かれています。つまり、左右の指が完全にどちらも休符になる箇所は1つもありませんね。常に音符がかかれてあり、4分音符と8分音符が大半を占めています。これらの書法から、この曲は淡々と進む性格の曲であることがわかります。曲中にかかれてある、rallやa tempoなどの指示以外は、メトロノームに近い、正確なリズムとテンポで進みます。ルバートはかけません。
全体の構成:
舞踏的要素の強い曲ですので、たっぷりと歌うようなことはせずに淡々と進んで下さい。ハンガリーの音楽のように、2拍目にアクセントが来るのが特徴です。リズム的には2拍目を感じて弾きましょう。
注意点その1:ペダルに関して
筆者が適切と考えるペダルが必要な箇所を載せておきます。
1小節目 1-2拍間
3小節目 2拍目
5小節目 1-2拍間
7小節目 2拍目
8小節目 4拍目
9小節目 2拍目
11小節目 1拍目
12小節目 1拍目
13小節目 1-2拍間
16小節目 3拍目 4拍目
17小節目 1拍目
18小節目 1拍目
20小節目 2拍目
22小節目 2拍目 3拍目 4拍目
23小節目 1拍目 2拍目 3拍目 4拍目
24小節目 1拍目
26小節目 2拍目 3拍目 4拍目
27小節目 1拍目 2拍目 3拍目 4拍目
28小節目 1拍目
32小節目 2-3拍間 4拍目
33小節目 1拍目 3拍目 4拍目
34小節目 1-2拍間 3-4拍間
35小節目 1-2拍間 3-4拍間
38小節目 2拍目
46小節目 1-2拍間 3-4拍間
47小節目 1-2拍間
ご参考まで。
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