ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 18の性格的な練習曲 羊飼いの家路 Op.109-3
Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 18 Etudes de genre (faisant Suite aux Etudes faciles op. 100) Le Retour de Pâtre Op.109-3
作品概要
解説 (2)
解説 : 佐藤 卓史
(458 文字)
更新日:2022年1月31日
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解説 : 佐藤 卓史 (458 文字)
前の曲と同じ3拍子の舞曲ですが、ずいぶん印象が違いますね。『真珠』の洗練されたワルツに比べると、こちらはもっと田舎っぽいレントラー風* の踊りです。ハ長調の中間部も含めて、「25の練習曲」の『スティリエンヌ』に似ています。きっとこの羊飼いは、アルプスの麓のあたりに住んでいるに違いありません。
*レントラー:南ドイツやオーストリアの山岳地帯に起源を持つ民俗舞踊。
ゆるやかな4分の3拍子で、2人1組で回りながら踊る。
演奏のポイント(原典 ♩=144)
鳥の鳴き声のような小音符の装飾音が鄙びた雰囲気を醸し出していますが、問題は動きにくい3と4の指で弾かなければならないことです。3の指の敏捷な上げ下ろしに神経を使いましょう。装飾音がメロディーのラインを崩さないように。左手の2拍目から3拍目にかかっているスラーにも注目しましょう。ロ短調の13小節からは両手ともスタッカートになり、キャラクターががらりと変わります。
演奏のヒント : 大井 和郎
(994 文字)
更新日:2020年11月30日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (994 文字)
全体の流れ:
Allegrettoと標示されています。特にルバートを必要以上にかける必要はなく、riten や a
tempo などの記号を守りつつ、割と淡々と進ませます。全体のテンポを1つにして、セクション毎にテンポが変わらないようにします。
全体の構成:
単純なメロディーと伴奏ではありますが、メロディー部分は歌というよりはヴァイオリンなどの弦楽器を連想させるアーティキュレーションで書かれています。形式はA-B-A-C(-D)-A Codaと、ロンド形式で書かれています。
注意点: ペダルについて
ペダルは楽譜に書かれてあるとおりに従っても構わないのですが、色々と気をつけることがあります。
まず、Aセクション、1-4小節間、スタッカートやアーティキュレーションを鑑み、筆者であればペダルは使いません。筆者の楽譜には、1ー2小節間、1拍目の裏拍から2拍目にかけての伴奏の部分に短いペダルマーキングがあります。これはどちらでも構わないのですが、上声部のメロディーラインDがきちんと伸びていれば、下の伴奏はスタッカートで構いません。
5-12小節間、右手の滑らかなレガートラインを守るためと、バスの音を聴かせたいので、筆者であればペダルを、一小節毎に踏みます。ただし注意があります。5,6,9,10小節目に装飾音がありますね。これをペダルで残さないようなペダリングにして下さい。例えば、6小節目、1拍目に装飾音があり、非和声音Aもありますので、これらの音を残し続けず、ペダルは2拍目から踏み始めるようにします。そうするとバスを失いますので、バスの音は小指で押さえ続けた上で2拍目からペダルを入れれば、濁りを解消出来、同時にバスも伸びます。
このように、フィンガーペダルも用いて、装飾音によって生ずる濁りを避けるようにした方が良いでしょう。
Bセクション、右手のメロディーライン全ての音にスタッカートが書かれてありますので、筆者であれば、Bセクションは一切ペダルを使いません。例外は20小節目で、ここだけペダルを入れるようにします。
Cセクションですが、このセクションも、あまり多くのペダルは要りません。スタッカートの音が多く書かれているからです。
このように、セクション毎にペダルを使わなかったり使ったりすることで、各セクションのコントラストがはっきり出し、各セクションの性格を解りやすくします。ご参考まで。
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