ハイドン : ソナタ 第62番 第2楽章 Hob.XVI:52 op.82
Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.62 Mov.2 Adagio
作品概要
解説 (2)
解説 : 大井 和郎
(713 文字)
更新日:2025年5月30日
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解説 : 大井 和郎 (713 文字)
オペラのアリアと考えて良い第2楽章ですが、とてもドラマティックな展開があります。増6の和音がドラマティックな場面を演出し、稽留音などが
感傷的な一面を表現しています。33小節目以降はAセクションの繰り返しとなりますが、Aセクションのヴァリエーションと考えます。
この第2楽章は極めて幻想的で、夢の中の世界と考えます。例えば1〜2小節間、この楽章のメインテーマですが、特徴としてはペダルトーン(オルガンポイント)のEが鳴り続けていることで、これによって特別な世界感が出ます。
もしかしたら希望に満ちている感情かも知れませんし、愛の表現かもしれません。そしてこのメインテーマは、いつ何時でも現れ、その場その場を元に戻します。例えば、29〜32小節間の深刻なドラマが起こったとしても、33小節にこのテーマが帰って来ます。そしてメインテーマが突然帰ってきたことに何故か不自然さを感じさせません。
9小節目、ドラマティックな展開が始まり、10小節目でC-durに転調したと分析する人もいるかもしれませんが、11小節目3拍目のAisが来ることで、再びE-durを予感させます。この11小節目は稽留音が連続しており、感傷的なドラマがあり、12小節目でカデンツを迎えますが、ここもAisが稽留音になっています。
奏者はこれら全てのセクションに対して、異なった感情を持ってそれぞれを演出して下さい。個人的には、基本的なタイミングさえ守れば、多少の即興性があっても良いと思います。
解説 : 齊藤 紀子
(146 文字)
更新日:2020年2月9日
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解説 : 齊藤 紀子 (146 文字)
第2楽章はアダージョの4分の3拍子でホ長調。第1楽章の半音高い調で書かれていることは興味深い。3部形式となっており、中間部(第19小節~)では同主短調のホ短調で書かれている。そして、この中間部の中間にはト長調も顔を出す。所々に、装飾音の手法で書かれた上行する音階が見られることが特徴的である。
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