ハイドン :ソナタ 第38番 第2楽章 Hob.XVI:23 op.13-3

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.38 Mov.2 Adagio

作品概要

楽曲ID:32193
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:D級

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:7件
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解説 (1)

解説 : 大井 和郎 (615文字)

更新日:2025年3月5日
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とても感傷的でドラマティックな第2楽章です。f-mollという調自体が、特別に悲しみを表す調であり、ハイドンの変奏曲も同じ調が使われています。これを見込んで曲全体をF-durにしたのかはわかりませんが、割と自由に、オペラのアリアのように歌って欲しい曲となります。 しかしながら、いくつかの注意点があります。自由に、と言いましたが、左手の伴奏形は右手に合わせるという大原則の下にと言う事を念頭に置きま す。 この曲の拍子は6/8拍子で、複合拍子は、基本的に流れを止めずに進む性格があります。故に、この第2楽章も、流れを止めずに進んで欲しく、左手そのものを、貯めたり、時間を取ったり、停まったり、しないように気をつけて下さい。そうしてしまうことで、聴いている側は拍を失い、流れが止まってしまいます。 自由にと言うのは、右手に合わせるという事で、例えば、右手の歌のラインで、強調したい部分があったり、貯めたい音があったら、それなりに時間を取ったりして表現することは勿論可能で、そのために左手がそれをサポートする分には構いません。左手だけ単独で時間を取るのは良くないという意味です。基本的に左手は淡々と、拍子を崩すこと無く、進んでください。 時に、左手が無くなり(あるいは4小節目の様に16分音符が無くなってしまい)、右手が自由に歌えるところであれば、尚更右手を自由に表現して下さい。9~12小節間も同様に右手は自由に歌うことができます。

執筆者: 大井 和郎