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ハイドン : ソナタ 第31番 第2楽章 Hob.XVI:46 op.54-3

Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.31 Mov.2 Adagio

作品概要

楽曲ID:32169
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:8分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:6件
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解説 (2)

解説 : 稲田 小絵子 (124 文字)

更新日:2020年2月9日
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第2楽章:アダージョ、変ニ長調、3/4拍子。ソナタ形式。

ソナタ形式だが、再現部は展開部と密接に絡み合い、主調には戻るものの、再現というよりむしろ展開的に進行する。第1主題は、バロック時代の舞曲組曲に含まれるサラバンドのような、落ち着いた気品をもつ。

執筆者: 稲田 小絵子

演奏のヒント : 大井 和郎 (609 文字)

更新日:2025年1月26日
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これから述べるアナリシスはほんの一例に過ぎません。曲を構築することに役立てて頂ければと思います。この第2楽章は、アリアと考えます。オーケストラ+2人のソプラノ(アルトでも可)歌手と考えます。

冒頭4小節、オーケストラがスタートします。ソプラノが5小節目、2拍目裏拍から歌い始めます。9~12小節間のように、多くのトリルが入ってきますので、テンポは十分にAdagioにして、装飾音等に無理のなし速度に設定します。曲想は基本的には楽天的です。途中ドラマティックになりますが、基本的には穏やかなアリアと考えます。

5~12小節間、美しい歌を歌い終えた後、13小節目から少しコケティッシュな歌に変わります。14小節目、二人目のソプラノ歌手が入ってきて、13小節目と同じ旋律を歌います。以降、二人の掛け合いになり、20小節目でカデンツになります。

21小節目より、二人の歌手が3度離れた音程で綺麗なハーモニーを歌い上げます。28小節目まで、この3度のハーモニーが続きます。以降3度が出てきたら、二人が同じ歌詞を同時に歌っていると想定します。

29~32小節、一人目のソプラノが歌い、二人目が33小節目で入ってきます。

これは一例に過ぎませんが、奏者に大切にして欲しいのはポリフォニー的なラインです。声部をリスペクトして、大切に丁寧に扱って欲しいです。縦割りに考えず、オーケストラのパートも含め、常に横に流れるラインとして考えてみて下さい。

執筆者: 大井 和郎