ハイドン : ソナタ 第32番 第1楽章 Hob.XVI:44 op.54-1
Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.32 Mov.1 Moderato
作品概要
解説 (2)
解説 : 稲田 小絵子
(187 文字)
更新日:2020年2月9日
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解説 : 稲田 小絵子 (187 文字)
第1楽章:モデラート、ト短調、4/4拍子。ソナタ形式。
提示部のみならず、展開+再現部の最後にも繰り返し指示があり、二部形式の名残をみせる。冒頭の三連符が第2主題および全体を通して特徴的に用いられるなど、統一感のある楽章である。メランコリックな第1主題の4度順次下行は、推移部において「ため息」のモチーフとなり、第2主題では一気に1オクターヴと5度も下行するアルペジオとなる。
演奏のヒント : 大井 和郎
(523 文字)
更新日:2025年1月26日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (523 文字)
弦楽四重奏をイメージさせる第1楽章です。弦楽4重奏を弾いていると思って、横の流れを大切にして、声部を独立させるように工夫してみて下さい。
調性は短調ですが、ハイドン独自の明るい部分も見え、深刻なムードではありません。
弦楽4重奏と考えたとき、ヴァイオリン等のボーイングを思い浮かべることが重要です。筆者の楽譜には細かくアーティキュレーションが書いてあります。レガートがかかっていて、その最後の音は必ず一度切ってから次の音に入るようにします。特に、2つの音にレガートがかかっている場合、2つ目の音は力を入れず、短く切るようにします。
1小節目はアーフタクトからDEsDG までで、ここで一度きり、次にFEsDまで繋げ、Dで切り、CisD と繋いでDを切るといった具合です。
ここで気をつけたいのは非和声音の存在で、例えば、1小節目、メロディーライン、3拍目の4分音符であるCisを非和声音と考えた場合、Cisの方にストレスがかかり、次のDは、全く力を入れずに消えていくように切ります。
決してCisより大きくあるいは同じ音量にならないようにして下さい。その他、非和声音と思われる音は、強調し、次に待っている和声音(解決音)は、決して大きくしないようにします。
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