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シューベルト : ピアノ・ソナタ 第14番 第3楽章 D 784 Op.143

Schubert, Franz : Sonate für Klavier Nr.14  Mov.3 Allegro vivace

作品概要

楽曲ID: 32066
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:F級
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解説 (2)

解説 : 稲田 小絵子 (125 文字)

更新日:2019年10月6日
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アレグロ・ヴィヴァーチェ、イ短調、4/3拍子。ロンド・ソナタ形式。和音使いの巧みなシューベルトにしては珍しいカノン風の主題と、対照的に彼らしい優美な調和をみせる第2主題とが交互に現れるが、中間部では展開されており、結果的にソナタ風の形式を成している。

執筆者: 稲田 小絵子

演奏のヒント : 大井 和郎 (701 文字)

更新日:2025年10月9日
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まずは技術的問題も含んだ問題を解決していきましょう。アレグロビバーチェですが、ビバーチェとは「生き生きと」という意味で必ずしも速くという意味ではありません。あまり速すぎると16分音符等が不鮮明になりがちです。テンポは抑え気味からスタートした方が良いでしょう。

最初の問題は67小節目の右手で、なかなかこの10度が届かない人も多いのではないでしょうか。ソルーションとしては、内声のBを半拍(8分音符1つ分)遅れて弾く様にします。そのほうが、BDesをバラして下から上へ弾くよりも綺麗に聞こえます。同様の箇所もこのようにして弾いてみて下さい。

この第3楽章の最大の難関は260小節目からのコーダにありますが、ここはとにかく「慣れ」が必要で、毎日オクターブで練習をすることで筋肉が付き、次第に弾ける用になってきます。連続のオクターブの左手で最も数が多いのは、263小節目3拍目から264小節目までの10個のオクターブです。たまに、楽譜を右から左へ、逆方向に音符を読んで弾いて見ましょう。そして、例えば、E Fis Gis Fis Gis A H A Gis A Gis Fis E Fis Gis Fis Gis A H A Gis A Gis Fis と上行下行を繰り返し、ループを作ってみましょう。このコーダは入念に、根気よく練習して下さい。いつか必ず出来る用になりますが、テンポはここの部分だけ若干落ちます。それでも構いません。

執筆者: 大井 和郎