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シューベルト : ピアノ・ソナタ 第14番 第2楽章 D 784 Op.143

Schubert, Franz : Sonate für Klavier Nr.14  Mov.2 Andante

作品概要

楽曲ID: 32065
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:4分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
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解説 (2)

解説 : 稲田 小絵子 (91 文字)

更新日:2019年10月6日
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アンダンテ、ヘ長調、4/4拍子。やさしい慰めの主題と高音の響きが、まるでベートーヴェンの後期作品のような印象を与える楽章である。前楽章とは対照的な、明るく上向きな主題に注目されたい。

執筆者: 稲田 小絵子

演奏のヒント : 大井 和郎 (527 文字)

更新日:2025年10月9日
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この第2楽章を弾くには、オーケストレーションが必須の作業で、如何に多くの楽器を再現できるか=如何に多くの音質を再現できるか にかかっています。例えば、14小節間、4小節目の1拍目までは、1つのアンサンブルで、4小節目2拍目から4拍目まで、sordini と書かれてあるところは、全く別の楽器の小編成と考えます。そうすると、1314小節間のアンサンブルと、1617小節間のアンサンブルもまた異なります。

2129小節間は、この第2楽章のピークポイントですが、この辺りは、彼の、例えば8番のシンフォニー等を聴いて、オーケストレーションを参考にしてみて下さい。31小節目以降、メロディーラインは左手にあります。例えばこのメロディーラインが、弦楽器の重厚なアンサンブルとするのであれば、右手の3連符はフルートなどの木管楽器が装飾的に演奏しているというイメージです。

このように、この第2楽章を弾く時は、ピアノの事は一切忘れて、全てがオーケストラである事を前提に演奏してみてください。

執筆者: 大井 和郎