シューベルト :ピアノ・ソナタ 第4番 第3楽章 D 537 Op.164
Schubert, Franz:Sonate für Klavier Nr.4 Mov.3 Allegro vivace
解説 : 髙松 佑介 (385文字)
アレグロ・ヴィヴァーチェ、イ短調、8分の3拍子
A-B-C-A’-B’-C’-A’’-Codaという循環する形式を取り、各部は総休止によって区切られている。まず、音階のユニゾンによって、冒頭主題(A)がイ短調で提示される。この主題は常に半終止で宙づりになって切れ切れに奏される。これに続き、イ長調で動きのある新たな主題(B)が現れ(第31小節)、第59小節からドルチェで新たな主題(C)が提示される。この主題Cはニ長調で始まるが、途中でホ長調の中間部を挟んだ後、ホ長調のままC主題が再び現れる。第164小節からは、それまでに提示されたものが別の調で再現される。冒頭主題はホ短調、主題Bはホ長調、主題Cはト長調に始まりイ長調に転じる。これに続き、主調であるイ短調で冒頭主題が短縮して回帰すると(第310小節)、強弱のコントラストに満ちたコーダが現れ、イ長調で曲を締めくくる。
ピアノ・ソナタ 第4番 イ短調 第3楽章
ピアノ・ソナタ 第4番 第3楽章
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