アンダンテ、ホ長調、4分の3拍子
大枠ではABA’の形式を取り、A部も更にaba’の三部分からなる複合三部形式を取る。
A部はaba’の三部から成り、ホ長調の静かなa部の間に、転調を重ねつつ高揚するb部が挟まれている。
静的なA部に対し、B部は一貫して十六分音符が用いられることでコントラストをなしている。ホ短調に始まってハ長調へと転じる調構造を持っており、B部末(第46小節)では、B部の主題冒頭を特徴づけていた半音進行が前景に押し出され、A部の再現を準備する。
第52小節では冒頭主題が回帰し、Aの再現部となる。ここでは、スタッカートによる半音階進行の十六分音符が内声に組み込まれており、主部と中間部の要素が統合されている。再現されたa’部では、三度調のト長調で開始されたり(第70小節)、短調が顔を覗かせたり(第80小節)など、単なる再現に留まらない工夫がみられる。なお、ト長調は次の第3楽章を予告する機能も持ち合わせている。