ラフマニノフ : 前奏曲集(プレリュード) 第10番 Op.32-10 ロ短調
Rakhmaninov, Sergei Vasil'evich : 13 Preludes Lento h-moll Op.32-10
作品概要
解説 (2)
演奏のヒント : 大井 和郎
(727 文字)
更新日:2025年12月14日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (727 文字)
あまりにも有名なプレリュードですが、多くの異なった演奏があり、異なった解釈があります。ここから先は筆者の個人的な見解です。間違っているとか正しいとか言う話ではなく、一つの考え方として参考にして下さい。
筆者はこのプレリュードが、Lentoと表記されていて、pから始まるものの、決してロマンティックで、叙情的で、歌心に溢れていて、とは考えていません。冒頭から、pでLentoにもかかわらず、強い緊張感が感じられます。
それは付点のリズムにもありますが、この付点のリズム(4拍目)を緩やかに弾くという事はせず、少しきつめの付点として扱い、緊張感を出します。緊張感が一瞬無くなる場所は、3小節目4拍目の半音階下行形のメロディーラインです。ここは、メロディー的にも和声的にも緊張が解ける瞬間です。そして再び4小節目4拍目より、緊張感が続きます。
聴いている人達がゆったりと聴くような演奏ではなく、聴いている人達でさえもピリピリとして空気が流れるような演奏がのぞましく、そのためには、付点のリズムは厳しく、音質はpでもマルカートに弾く様にします。
やがてこの緊張感は18小節目より徐々にテンションを上げ、異常な状態に入りますが、1〜17小節間は、その予兆のように考えます。
そして40小節目を迎え、この時の付点の動きは42小節目から副付点となり、再びagitato的な心理状態を描写します。
p、Lentoでも、最初から最後まで、テンションはもの凄く高いプレリュードと筆者は考えますが如何でしょうか?
解説 : 和田 真由子
(122 文字)
更新日:2021年3月1日
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解説 : 和田 真由子 (122 文字)
悲しみを感じさせるような旋律がゆったりと静かが歌われ、しだいに音量を増していく。中間部では、和音が重ねられ、非常に壮大で豊かな音色が求められる。また後半でみられる長大なカデンツァがうみだす音響は、幻想的な雰囲気をつくりだしており、印象的である。
楽譜
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