ラフマニノフ : 前奏曲集(プレリュード) 第5番 Op.32-5 ト長調
Rakhmaninov, Sergei Vasil'evich : 13 Preludes Moderato G-Dur Op.32-5
作品概要
解説 (2)
演奏のヒント : 大井 和郎
(808 文字)
更新日:2025年12月14日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (808 文字)
完全な夢の世界の曲であるので、ぼやけた感じが欲しく、そのためには、1小節目から始まる5連符をはっきりと弾かないようにします。ソフトペダルを踏んで始めても良いくらいです。とにかくクリアーな音は出さずに、濁りも気にせず、兎にも角にも別世界を表現したいところですので、筆者であれば、2小節目の4拍目までペダルを変えることは無いと思います。2小節目の4拍目でペダルを変える理由は、右手のFisとEの濁りを避けるためで、左手の話ではありません。左手は、例えば1小節1拍目と2拍目ではDとEが長2度の関係であるためその濁りは生じますが、筆者はあまり気になりません。それよりもぼやけた空間を演出したいので、ペダルは変えません。
そしてこの5連符、7〜8小節目等で形は変われど、絶対に途切れること無くCodaまで続いていることにお気づきでしょうか(21〜22小節間のカデンツを除く)?それほど、この5連符の流れは重要で、川の水が途切れること無く流れるように弾いて下さい。5小節目の1拍目では、アルペジオが入って来ますので、勿論そこでは少しの時間、流れは止まりますが、極力時間を取らずに5連符と5連符の間を開けないようにしてください。
各声部にも気を遣って下さい。例えば、9小節目を弾く時、メロディーラインは、HAGFisED ですが、最初のHが聞こえないケースがよくあります。22〜24小節間のトリルは、常に音量とトリルの速さを変えるようにして、同じ音量で同じ速さのトリルが続かないようにします。
35〜36小節間の右手は、音が多いのでついつい音量があがってしまいますが、ここも極力ppでleggieroを守って下さい。
最初から最後まで夢の世界と考えて下さい。
解説 : 和田 真由子
(109 文字)
更新日:2021年3月1日
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解説 : 和田 真由子 (109 文字)
穏やかな雰囲気の左手の分散和音にのせて、右手で美しい旋律を奏でる。細かい音の動きは鳥の声を模している。全体的に静かだが、華やかなカデンツァも印象的である。広く愛奏されている魅力的な作品。ラフマニノフの録音も残っている。
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