モーツァルト :ピアノ・ソナタ 第14番 第3楽章 K.457

Mozart, Wolfgang Amadeus:Sonate für Klavier Nr.14 Mov.3 Molto allegro

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分00秒
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解説 (1)

解説 : 岡田 安樹浩 (464文字)

更新日:2019年3月5日
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第3楽章 ハ短調 4分の3拍子

ロンド主題は、Allegro assai(agitato)という急速なテンポの中、アウフタクトとタイによって結ばれたシンコペーション・リズムによって、1拍ずれたヘミオラのような旋律を、拍節通に刻まれる和音が支える。

属7和音の上に停止し、総休止によって緊張感を持続させた後にドッペル・ドミナントへ進行する件(第24小節~)は、19世紀のロマン派和声(例えばワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』のような)を先取りしているかのような緊張感をもっている。

平行長調の変ホ長調によるクープレ主題にも、半音階パッセージが認められる。そしてロンド主題の回帰(第103小節~)の後、クープレ主題が主調であらわれる(第167小節~)。

第221小節からのロンド主題回帰には、a piacereの指示をもった属7・属9和音を積み重ねる部分が挿入されている。こうした和声的緊張感の高まりは、モーツァルトの短調作品における特徴の1つといえるだろう。そしてコーダでは、音域を広範に拡大し、楽器のほぼ全音域を使用して楽曲を閉じる。

執筆者: 岡田 安樹浩