作品概要
解説 (2)
演奏のヒント : 大井 和郎
(621 文字)
更新日:2023年5月15日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (621 文字)
楽天的な曲ですので楽しく聴かせたいですね。多くのシークエンスがあり、転調を何回も繰り返します。この曲は、下手をすると曲全体が取り立てて何も変化がなく、平坦な印象になってしまいますので、各セクションをよく把握し、そのセクションに合った音量や音質を与え、変化を付けることが大事なことです。
分析をすると大変なことになりますので、取り急ぎ、カデンツを押さえましょう。カデンツは8つあります。
1つ目 11~12小節間 G-dur 完全終止
2つ目 25~26小節間 D-dur 完全終止
3つ目 35~38小節間 D-dur 完全終止
4つ目 55~56小節間 e-moll 完全終止
5つ目 63~64小節間 h-moll 完全終止
6つ目 72~73小節間 G-dur 完全終止
7つ目 89~90小節間 G-dur 完全終止
8つ目 97~10小節間 G-dur 完全終止
後半(39小節目以降)で、G-durの主題が戻ってくるところ(73小節目)までが中間部的な部分で、この中で初めて短調に転調します。
さて、骨組みがわかったところであとは奏者次第。奏者に取ってG-durが明るい調であれば、近親調である、D-durはG-durよりも強く感じますでしょうか?それとも逆でしょうか?e-mollは?h-mollはいかがでしょうか?
カデンツまでの各調の性格を決めて、音量や音質を決定し、固定されたテンポの中で変化を付けましょう。これがこの曲の演奏のヒントになります。
演奏のヒント : 大井 和郎
(407 文字)
更新日:2024年9月16日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (407 文字)
とても楽天的で楽しいクーラントです。故に、生き生きと、軽快に進ませることは必須です。同じテーマが異なった調で演奏されますので、それぞれの調に合わせた音量と音質を選ぶと良いでしょう。
前半、大きく2つに分けるとG-durとD-durに分かれます。13小節目からcisが出てきて、ここからがD-durになります。
後半は、長い2つのハーモニックシークエンスとみなしても構いません。あるいは、転調とみなして、後半最初の方をe-moll、次にh-moll、と考えることもできます。
続いて短いハーモニックシークエンスを経て、73小節目でG-durに戻ると考えても構いません、
21~24小節間のようなメロディーラインが2度で下行、上行を繰り返す素材は曲中多く出てきます。強弱が平坦にならないように、微妙にクレシェンド、ディミヌエンドを付けてみて下さい。ペダルトーン(この場合Aの音)に近づくほどPに、離れるほどFにしてみましょう。
楽譜
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