ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第2集から) クーラント HWV 441

Händel, Georg Friedrich:Suite Courante HWV 441

作品概要

楽曲ID:30450
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:クーラント
総演奏時間:2分10秒
著作権:パブリック・ドメイン
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (621文字)

更新日:2023年5月15日
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楽天的な曲ですので楽しく聴かせたいですね。多くのシークエンスがあり、転調を何回も繰り返します。この曲は、下手をすると曲全体が取り立てて何も変化がなく、平坦な印象になってしまいますので、各セクションをよく把握し、そのセクションに合った音量や音質を与え、変化を付けることが大事なことです。

分析をすると大変なことになりますので、取り急ぎ、カデンツを押さえましょう。カデンツは8つあります。

1つ目 11~12小節間 G-dur 完全終止

2つ目 25~26小節間 D-dur 完全終止

3つ目 35~38小節間 D-dur 完全終止

4つ目 55~56小節間 e-moll 完全終止

5つ目 63~64小節間 h-moll 完全終止

6つ目 72~73小節間 G-dur 完全終止

7つ目 89~90小節間 G-dur 完全終止

8つ目 97~10小節間 G-dur 完全終止

後半(39小節目以降)で、G-durの主題が戻ってくるところ(73小節目)までが中間部的な部分で、この中で初めて短調に転調します。

さて、骨組みがわかったところであとは奏者次第。奏者に取ってG-durが明るい調であれば、近親調である、D-durはG-durよりも強く感じますでしょうか?それとも逆でしょうか?e-mollは?h-mollはいかがでしょうか?

カデンツまでの各調の性格を決めて、音量や音質を決定し、固定されたテンポの中で変化を付けましょう。これがこの曲の演奏のヒントになります。

執筆者: 大井 和郎

楽譜

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