ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第1集から) アレグロ HWV 431

Händel, Georg Friedrich:Suite Allegro HWV 431

作品概要

楽曲ID:30447
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:3分10秒
著作権:パブリック・ドメイン
  • クリックして画像を開く
  • tab

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (509文字)

更新日:2024年7月15日
[開く]

フーガ形式3声体のアレグロです。テーマ(主題)は、1小節目1拍目より2小節目3拍目のcisまでとします。例によって、多くの調に転調し、テーマはその度にその調、レジスターに合った雰囲気、音量、音質で演奏します。

ここまでは通常のフーガと変わらないのですが、このアレグロの場合、声部の独立がとても難しく、それが課題になります。

例えば、8小節目2拍目より9小節目4拍目まで、ソプラノとアルトの動きをご覧下さい。このように書かれてある場合2拍目のソプラノEの次の音は、本来は4拍目のdisなのですが、3拍目のアルトfisがあるため、聴き手には、E Fis Dis E Cis Dis His Cisと聞こえてしまいます。それだけならまだしも、このような音形は音楽を縦割りにしてしまい、音楽が横に流れる妨げになります。

このような音形はこのアレグロに多く見られます。このような時、手段としては、ソプラノをはっきりと、アルトは大人しい音質、音量で演奏する事で、ソプラノの伸びているラインを邪魔しません。別の言葉で言うのであれば、ソプラノの伸びている音(タイによって伸ばされている音)を自分の耳で聴き続けながら演奏すると上手くいきます。

執筆者: 大井 和郎
現在視聴できる動画はありません。  

楽譜

楽譜一覧 (1)