フランス風序曲の影響を受けていることは明白で、威厳も持ったプレリュードです。故に、付点のリズムが甘くならないように気をつけます。曲は、影のある暗い、悲しみの雰囲気にも捉えることが出来る曲です。ヘンデルの曲の中には、声部を独立させることが大変困難な曲もありますが、このプレリュードは、声部を独立させることが可能です。出来る限り、声部の独立を目指してください。

このプレリュードのピークポイントは11小節目、ソプラノにAがあるところです。そこに行きつくまでの方向性が欲しいところです。

そしてこのプレリュードはある程度の即興性があって然るべきです。あまりにもメトロノームのように正確に進むのではなく、多少の即興的な要素も入れて、時間を取るところには取るような工夫もあって良いと思います。

特に最後の4小節間は、小節線が必要には感じないほど自由に即興的に弾いてみて下さい。