f-mollという悲痛な調がヘンデルにも影響を与えたと思わざるを得ない書法です。多くの半音階的進行、ナポリの6、不完全終止、等ドラマティックな要素が多くあり、悲しみの表現とも取れるプレリュードです。ほぼ4声体で進行しますので、どの旋律がメインであるか、迷うところもあります。
コツとしては、動いている音価の小さい声部に注目をし、その他、音価の大きい声部で半音階的進行などをしている声部は控えめにするようにバランスを取ると良いでしょう。
例えば3小節目2~4拍間、ソプラノは、FGF E C D Esという動きを見せます。それと全く同じ事が次の4小節目2拍目から今度はテノールが同じく、FGF E C D Es と入り、5小節目2拍目、今度はバスが、FGF E C D Esと入ってきます。
4小節目、ソプラノに何が起こっているかというと、前の小節の最後のEsから、D、Des、C、と半音階的進行をしていて、バスはFに留まったままになります。5小節目、今度はテノールが、D Des C と半音階的進行に入ります。
このように、半音階的進行や、ペダルポイントである音は、音量を控え、動いている音に対して音量を与えるようにすると判りやすくなります。