ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第1集から) アレグロ HWV 429

Händel, Georg Friedrich:Suite Allegro HWV 429

作品概要

楽曲ID:30431
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:3分40秒
著作権:パブリック・ドメイン
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (519文字)

更新日:2024年7月15日
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主に3声体のフーガ形式となります。例によって、各調への転調、テーマの断片、シークエンス、ストレッタなど、通常のフーガに見られる慣例はありますが、問題はテーマ(主題)の扱いと考え方です。

仮に、テーマが1小節目から始まり、4小節目の最初の16分音符、Gで終わるとします。2小節目において、テーマは下行してきますが、各音程はどんどん大きくなり、2小節目の3拍目で7度が出てきますので、3小節目の1拍目の7度をピークポイントとし、そこまでクレシェンドをかけてくる事も可能だと考えられます。その後は衰退していくと考えます。

しかしながら問題は冒頭の4分音符3つです。勿論この3つの音量に違いを付けるという考え方も良いと思うのですが、仮にこの4分音符3つは、例えば「教会の鐘」のように、無機質に鳴り響くと考え、全く強弱を付けずに、3つとも同じ音量で、同じ音質で演奏するという事も1つのアイデアかもしれません。

このテーマの冒頭3つの4分音符は、特に意識して出さないことには大変聴き取りにくいテーマであり、単なるペダルポイントのように聞こえてしまうこともあります。テーマが出てきたら、誰の耳にも伝わるように、大きく、この3つの4分音符を鳴らしてみて下さい。

執筆者: 大井 和郎

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