ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第2集から) エア(5つの変奏付き) HWV 434
Händel, Georg Friedrich:Suite Air HWV 434
演奏のヒント : 大井 和郎 (488文字)
まずはテーマの分析から始めて見てください。1~4小節間、どの小節がどの小節よりも、強弱的に大きいか小さいか、4小節を強弱の強さで振り分けてみてください。同様に後半4小節も強弱を振り分けます。
このヴァリエーションに限らず、ただ単に楽譜通りに演奏したところで、実に面白みのない演奏となります。ヘンデルのヴァリエーションの特徴の1つとして、最後のヴァリエーションに近づけば近づくほど、テンションが高まっていくという特徴があります。多くの場合、ヴァリエーションの進行に伴い、音符が細かくなり、速いパッセージが登場してきます。
そのように考えたとき、ヴァリエーション1と、最後のヴァリエーションであるヴァリエーション5は、同じ16分音符が主体で書かれていますが、前述したヴァリエーションの傾向を鑑みたとき、1よりも5の方のテンションを上げたいところです。音量的にも5の方を大きくするようにします。
もう1つは、繰り返しの問題で、繰り返しで、全く同じ事を2回繰り返すだけの演奏ほどつまらない演奏はありません。何かしら(バランス、ダイナミック、アーティキュレーション等)変化を付けてみましょう。
組曲(クラヴサン組曲第2集から)第3曲 エア(5つの変奏付き)
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