ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第1集から) アルマンド HWV 426

Händel, Georg Friedrich:Suite Allmande HWV 426

作品概要

楽曲ID:30395
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:アルマンド
総演奏時間:3分40秒
著作権:パブリック・ドメイン
  • クリックして画像を開く
  • tab

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (588文字)

更新日:2024年7月15日
[開く]

4声体の美しいアルマンドです。曲中、果たしてこれは転調なのか、あるいは単純なハーモニックシークエンスなのか、これはカデンツなのかそうではないのか、等の疑問を度々考えてしまう程、1つの調性に留まること無く、臨時記号によって多くの調を目まぐるしく連想させます。

しかしながら、この手の曲は、カデンツの部分を半ば強引でも作り上げ、曲をいくつかに分割した方が、奏者、聴衆ともに判りやすく聴くことができます。例えば、4小節目、3拍目は、fis-mollのピカルディー終止を連想させますが、ここをカデンツとします。

冒頭からここまでの山はなだらかですが、1小節目から音を見ると、この4小節目3拍目に向かって、徐々に下行していることがわかります。そして、その後、6小節目4拍目のソプラノ H が、このアルマンド前半の最高音となり、このピークポイントまで、曲が上行形で進む事、そしてこの6小節目4拍目の部分がe-mollを連想させる調に達すること等を総合的に考えると、ここが前半のピークポイントであることがわかります。

後半は、最高音はAの音で、これは後半で3箇所登場しますが、19小節目1拍目のAは、それまでの上行形(16小節目や18小節目)でテンションを上げられたAですので、ここをピークポイントとします。奏者は、方向性を持たせ、強弱を変化させながら、これら前半後半のピークに向かってください。

執筆者: 大井 和郎
現在視聴できる動画はありません。  

楽譜

楽譜一覧 (1)