143小節にも及ぶ長いジーグです。このように長い曲の場合、分析を行い、いくつかのセクションに分け、聴き易くすることが大切です。この曲の分岐点は65小節目のB-durのカデンツです。ここまでで、前半・後半と分けることが可能です。
今何が起きているのか、聴衆に伝えることが大切で、大きく分けて、テーマとシークエンスの2つと考えます。
このジーグのテーマは、1~4小節間で、4小節目の4拍目、右手のBで一区切りとなりますが、このような、g-moll(1~2小節間)と、B-dur(3~4小節間)のようなペアは曲中数回しか出てきません。他は全て2小節単位のテーマとして多くの調で登場します。
一方でシークエンスは、例えば13~15小節間のようなシークエンスが多く出てきます。例えば13~15小節間の様に下行形シークエンスは通常ディミヌエンドで、上行形シークエンスはクレシェンドで強弱を変えていきます(勿論下行形でもクレシェンド、上行形でもディミヌエンドはよくあることです)。
奏者は、聴衆に今テーマが演奏されているのか、シークエンスが演奏されているのかはっきり判らせ、次のテーマに行きつくまでの過程を考え、次のテーマの強弱を決めます。
例えば、13~15小節間が下行形で19小節目まで、少しずつ下行して、ここから上行していき、21小節目かなりテンションが上がったところで、3拍目からテーマがでます。このテーマはこれまでの長いシークエンスから考えてかなりテンションが高く、フォルテが適しています。