ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第1集から) プレリュード HWV430
Händel, Georg Friedrich:Suite Präludium HWV430
演奏のヒント : 大井 和郎 (435文字)
1小節目に見られるトリルと付点のリズムや、最後4小節目に見られるアルペジオなどを総合的に考えた場合、必ずしもメトロノームに近い演奏でなければならないことはなく、むしろ即興性が入り、自由に演奏した方が良いプレリュードと考える事が出来ます。
例えば、曲中急に転調してカラーが変わるところなどは、十分な時間を取って「はっとする瞬間」を聴衆に与えてあげても良いです。
このプレリュードで困難な部分は、声部の独立にあります。常に、2重唱や3重唱などをイメージして弾いて欲しいのですが、両声部や多声部が離れた位置に居る場合は、比較的演奏は楽になり、2声、または3声と聴くことができます。問題は、動いている2声が近い位置にある場合です。
例えば13~17小節間、ソプラノとアルトは同じト音記号でかなり近い位置に居るため、声部の混同が懸念されます。このような場合、ソプラノとアルトの音色と音量を変え、全く別声部である事を、誰が聴いてもわかるような演奏が望ましく、そのように演奏してほしいです。
組曲(クラヴサン組曲第1集から) 1. プレリュード
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