ダカン :クラヴサン曲集 第1巻 第3組曲 かっこう ホ短調

Daquin, Louis-Claude:Premier livre de pieces de clavecin Troisieme suite "Le coucou" e-moll

作品概要

楽曲ID:24691
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:2分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:C級級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用6 応用7

楽譜情報:14件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1138文字)

更新日:2018年3月12日
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1.かっこう

この曲を聴き映えよく聴かせるためにはとにかくテンポを上げることです。2/4拍子ですが、バロック時代の2拍子はとても速いものと思っていただいて間違いありません。さて、速いテンポで弾くとなれば当然テクニック的な問題が多く出てきます。1小節目から見ていきましょう。1-3小節間を見たとき、メロディーラインは右手のHとC以外の音で、GとEがメロディーです。ですからこのGとEはHとCよりも大きく、はっきり聴こえなければならなく、別の言葉で言えば、HとCはかなり小さめに弾きます。

人間の指は、1の指が一番強いので、Hを1の指で取るとどうしても大きくなりがちですが、これを注意します。とはいってもなかなか指はいうことを聞いてくれません。ここで練習方法を1つお教えします。Hを1の指、Cを2の指と決め、この2本の指をそれぞれの場所に置き、上げることなく鍵盤上に置きっぱなしにしてください(鍵盤を下に降ろした状態)。次に、その状態のまま、まずEを担当する4の指を2-3回ほど強く連打してください。それが終わったら次にGを担当する5の指を同じように強く連打します。十分強い音が出るようになったら、今度はGとEを交互に速く弾いてみてください。このGとEが速く大きく弾けるようになったら、今度は押さえていた2の指のCも混ぜ、1の指でHを押さえた状態で、ECGC ECGCとできるだけ速く、フォルテシモで弾いてみてください。

次におさえていた1の指を離し、普通に弾いてみるのですが、その時、手首を素早く左右に回転させるようにします。つまりドアノブを回すような動作です。指だけではなく、手首も使って弾くようにします。これで相当速く弾けるようになるはずです。

この曲のその他の技術的困難な箇所はトリルの箇所です。トリルはできるだけ弾きやすい指を選んで素早く正確に弾かなければなりません。このトリルが重たかったり、遅かったりすると曲のムードが台無しになってしまいます。コツとしては、例えば3つの音があったとします。4小節目を例にとるとEFIsEですね。この3つの音の最初の2つは絶対に力を入れずに3つ目だけ強く弾けるように練習します。最初はゆっくりから、次第に速くできるようにします。もしも、このトリルの指番号が3-4-3を使って思うように弾けない場合は、指の独立の問題が考えられます。1をC、2をD、3をE、4をFis、5をGにそれぞれ置いてみてください。その状態で1、2、5の指を鍵盤に置きっぱなしにして、3-4のトリルを弾いてみてください。それが困難に感じるのであれば、独立の問題の可能性が高いです。指が思うように動かない練習は誰でもやりたくないものですが、薬だと思って頑張ってみてください。

執筆者: 大井 和郎

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