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リスト :伝説 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175 R.17

Liszt, Franz:Légendes St.François d'Assise, la prédication aux oiseaux

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:10分00秒

解説 (1)

解説 : 上山 典子 (515文字)

更新日:2019年6月19日
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【第1曲】〈小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ〉  

中世の伝記物語『聖フランチェスコの小さな花々』の第16章に記された、聖人が小鳥に説教をするという逸話から、創作の「精神的動機」を得て作曲された。イタリア中部の町、アッシジに生まれた聖フランチェスコ(1181-1226)は、カトリック教会史上もっとも尊敬を集める聖人のひとりで、フランシスコ修道会の創設者としても知られている。  

冒頭からの70小節はもっぱら高音部記号(ト音記号)で、弱音量でのトリル、アルペッジョ、32分音符の細かな音の動きが小鳥たちのさえずりを描写する。また、叙唱風の単旋律は聖人を象徴する。聖人の説教は途中、フラット調の荘厳な響きの和音旋律としても表される。結尾部分は再び小鳥と聖人の対話となり、最後は小鳥のモティーフで静かに終える。  

1950年代以降、オリヴィエ・メシアン(1908-1992)が「鳥の歌シリーズ」の創作を展開するようになるおよそ90年も前に、鳥たちのさえずりを豊かに色彩化したリストは、まさに「未来の音楽家」と呼ばれるにふさわしい(メシアン自身、リストと同じ素材に基づく3幕オペラ《アッシジの聖フランチェスコ》を創作している)。

執筆者: 上山 典子

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