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リスト :3つの演奏会用練習曲 「ため息」 S.144/3 R.5 変ニ長調

Liszt, Franz:Trois études de concert "Un sospiro" Des-Dur S.144/3

作品概要

楽曲ID:23714
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:6分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:F級級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:展開1 展開2 展開3

楽譜情報:13件

解説 (2)

演奏のヒント : 大井 和郎 (2228文字)

更新日:2018年11月20日
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有名なエチュードですが、指番号を工夫することによって格段に弾きやすくなります。今回は筆者独自の指番号をご紹介します。

3-4小節間: 右手メロディーライン  As B Des Es F Es B Des は、右、右、左、右、左、右、左 でとります。

4小節目、伴奏型の最初の3つ Des B Des は左手で521 と取り、右手で残りの、Ges B Des Ges Ges Des B Ges を取ると楽です。多くの版は 伴奏型、最初のDes B Des Ges を左手で取るように書いてありますが、4つではなく、3つにして、残りを右で取ります。

9-11小節間:いろいろな指使いが考えられますが、バスの音は伴奏型で最も大切な音です。これを十分に伸ばし、響かせるためには、左手の5の指で、バスの音をある程度長めに押さえておかないと、芯のある音が出なかったり、かすれたり、濁りが生じたりします。そのような意味からも、バスを5の指で取ったら、次の音も5の指で始めると後が楽になります。5から5と言うと、大変なように思いがちですが、この5から5はかなりの時間を取って構いません(つまり、バスの音は長めに伸ばしてから次の5の指に移ります)。

9小節目 右手メロディーライン Ges F C  は、左、右、右 になります。

9小節目1-2拍間    伴奏系 バスのCを5で取り、直ぐ5でAを弾き、5-2-1の指番号 で、A Es Fを弾きます。 残りの音 A Es F A A F Es A は全て右手で、1-2-3-5 5-3-2-1

9小節目3-4拍間    伴奏系 バスのAを5で取り、次のC Es Fまで使いやすい指で弾きます。残りの、C Es F F Es C までを右手で。残り3つを再び左手で。

10小節目 右手メロディーライン Es Des As Ges は、右、右、右、左 になります。

10小節目1-2拍間 バスのBを左で取り、次のDes F Bまで左手任意の指で。次の、Des F B B F Des を右手任意の指で。残りの、B F Des を再び左手で。

10小節目3-4拍間 バスからGes Des Es Bと左任意の指で。次の Des Es B B Es Desを右 手で。残りの、B Es Desを再び左手で。

11小節目 メロディーライン フェルマータのF(4拍目)だけは左で、後は全て、右で取ります。

11小節目 1-2拍間 伴奏型、最初のAs F As Des を左手の 5-2-1-3で取り、次に右 手で、Des F (この間にメロディーラインのGを3で弾き)、F Desをそれぞれ、1-2 2-1  と取ります。

11小節目 3-4拍間 伴奏型 As Ges As C と左手で。残りの C Ges As As Ges C と右 手、残りを左手で取ります。

 さて13小節目からかなりややこしい指使いが書いてありますが、筆者はここから21小節目までのメロディーラインに書かれてある分散オクターブは、全て右手で取ります。例外はありません。

 メロディーラインを全て、右手で取ることで、シェーピングが楽になり、望み通りの演奏を可能 にします。もちろんその分左手が大変なのですが、右、左、右、左とメロディーラインを入れ替え るよりはよほど楽だと思います。以下伴奏系の指番号を書いておきます。

13小節目 1-2拍間、3-4拍間とも、5-3-2-1-4-2-1 1-2-4-1-2-3-5

14小節目 1-2拍間、3-4拍間とも、5-2-1-5-3-2-1 1-2-3-5-2-1

以下同様に18小節目まで進みます。

19小節目 1-2拍間、5-3-2-1(左) 次の4つGis D E Gisのみ右手で取ります。この 拍はまだメロディーが無いからこれが出来ます。2拍目の、Gis E D Gis E D Gis は左手で、 1-2-3-1-2-3-5 と取り、 19小節目 3-4拍間、最初の Gis H D E は左手で、5-4-2-1 もちろん、5から4は時 間を取って構いません。次に、H D Eの3つの音のみを右手で取ります。4拍目の、EDHEDHは 全部左手で、1-2-4-1-2-4で取ります。

20小節目 全ての伴奏系を左手のみで弾きます。

21小節目 全てのメロディーラインは右手で、全ての伴奏型は左手で取ります。

22小節目 2拍目、左手の伴奏型の最初の音、Cは右手のAsのオクターブと一緒に右手で弾いてしまいます。

3-4拍間   最初の16分4つを左手で、次の6つを右手、その際4拍目のメロディーEsは左手 で。

23小節目 メロディーライン Fis A H Cis は、右、左、右、左 で取ります。

1-2拍間 16分最初の3つを左手、次の6つを右手、最後の2つを左手で取ります。

3-4拍間 1-2拍間と同じです。

46小節目以降  

3-4拍間、左手の8分音符のFis と 右手の16分音符 Disは、両方とも左手の1と5で 取ると楽です。残り、5つの16分音符(1拍内)は、右手で取りますので、右手は、 A Es A A Dis になります。

以上、重要なスポットだけ書いてみました。これを参考に、あらゆる手段を使って、弾きやすく してみて下さい。必ずどちらかの手で弾かなければならないというようなルールは存在しません。

執筆者: 大井 和郎

解説 : 上山 典子 (166文字)

更新日:2020年2月9日
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