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ムソルグスキー : 組曲「展覧会の絵」 10.キエフの大きな門

Mussorgsky, Modest Petrovich : Tableaux d'une exposition  No.10 "La grande porte de Kiev"

作品概要

楽曲ID:23141
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:6分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

解説 : 伊藤 翠 (271 文字)

更新日:2019年1月6日
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第9曲から休みなく続けられるこの曲は、キエフに建造されることとなった大門の設計図にインスピレーションを得たと言われている。《プロムナード》にも通じるどっしりとしたこの組曲の主題にはじまり、大きく盛り上がってゆく。すると突然、31小節目からは静かなコラール風の音楽が流れる。これは、親しかった友人ハルトマンと、その才能への賛美の歌なのかもしれない。冒頭の主題とこのコラール風の主題は壮大な変奏を繰り返しながら折り重なっていき、最後にもう一度、冒頭の主題がこれまでにないエネルギーを放出させるかのようなコーダ部分となって、組曲の大きな幕を閉じる。

執筆者: 伊藤 翠

解説 : 齊藤 紀子 (375 文字)

更新日:2019年1月6日
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<にわとりの足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガー)>からアタッカで続けられる。この曲のインスピレーションを得たと考えられているガルトマンの下絵では、スラヴ風のかぶと型の丸屋根をした、古ロシア的石造り様式のキエフ市のための門が描かれている。しかし、この設計図は、結局、具現されることはなかった、尚、スケッチや水彩画のみならず、舞台装置や衣装のデザインも手かげたガルトマンの本職は、建築家であった。アレグロ・アッラ・ブレーヴェ・マエストーソ・コン・グランデッツァの指示がある。組曲中最も規模が大きく、音楽内容も雄大なものと言えよう。全体的に、重厚な和音によって響きが生み出され、オクターブも多用される。後半からは、メーノ・モッソ・センプレ・マエストーソとなり、終結部分では、グラーヴェ・センプレ・アッラルガンドとなり、壮大な響きをもって組曲全体を締めくくる。

執筆者: 齊藤 紀子

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