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ムソルグスキー : 組曲「展覧会の絵」 9.鶏の足の上に建っている小屋(バーバ・ヤガー)

Mussorgsky, Modest Petrovich : Tableaux d'une exposition  No.9 "Die Hutte auf Huhnerfussenen (Baba-Jaga)"

作品概要

楽曲ID:23140
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:3分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

解説 : 伊藤 翠 (256 文字)

更新日:2019年1月6日
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一見奇妙な題名だが、原画は時計のデザイン画で、グロテスクな鶏の二本足が台をふまえていて、その上にバーバ・ヤガーの小屋が建っているというものだ。バーバー・ガヤーもまたロシアのおとぎ話に登場する魔女のことで、ムソルグスキーはこの魔女についても空想を膨らませているようだ。

冒頭、音楽はたたきつけるような鋭い動機ではじまる。やがてその力は持続的に大きくなり、和音の連打による激しい主題となる。怪しげな時計が時を刻んでいるようにも思われるが、魔女という不気味な存在も、この曲全体のテーマとして独特な世界観を作り上げている。

執筆者: 伊藤 翠

解説 : 齊藤 紀子 (339 文字)

更新日:2019年1月6日
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この曲のインスピレーションを得たと考えられているガルトマンのスケッチでは、にわとりの足の上に妖婆の小屋の形をした時計が描かれている。ムソルグスキーは、そこに臼の上に乗って進む「バーバ・ヤガー」を付け加えた。「バーバ・ヤガー」とは、森の中に住み、人をつかまえ手はその肉を食する痩せた妖婆のことで、鉄製の臼に乗り、杵で漕いで箒でその軌跡を消しながら進むとされている。尚、この曲の原題は、「吹けば飛ぶようなあばら屋」という意味も持つ。アレグロ・コン・ブリオ・フェローツェの4分の2拍子で書かれたこの曲では、左右のユニゾンを主体としたホモ・テクスチュアを築く部分が多い。そして、これに該当しない部分では、非常に幅広い音域を扱っている。後半からはアレグロ・モルトとなり、推進力が一層増す。

執筆者: 齊藤 紀子