ベートーヴェン :11のバガテル 第2番 Op.119-2 ハ長調
Beethoven, Ludwig van:11 Bagatellen Nr.2 C-Dur Op.119-2
解説 : 鐵 百合奈 (389文字)
Andante con moto 歩く速さで、動きを持って
A+B+A'+コーダの三部形式。短い曲の中で、光の色合いがプリズムを通って自然に移り変わっていくような転調が魅力的。A部分は前楽節の4小節を終えると、後楽節ですぐにイ短調に陰り、B部分(第9小節目アウフタクト〜)はト長調である。A部分の再現では後楽節が拡大され、コーダ(第32小節目〜)が1拍分食い込んで入ってきてフレーズが交差する構造が面白い。
この曲の旋律はピアノ三重奏曲第3番作品1-3の第2楽章(変ホ長調)に瓜二つであり、書法も最後の8小節間によく似ている。8分音符をピアノ、3連符の細かい音は弦楽器(高い音域はヴァイオリン、低い音域はチェロ)と思って、親密な会話をするように演奏されたい。
ピアノ三重奏曲第3番作品1-3の第2楽章(変ホ長調)の冒頭
ピアノ三重奏曲第3番作品1-3の第2楽章(変ホ長調)の最後の8小節
[CBJ 2020]ベートーヴェン:11のバガテル 作品119-2
検索