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バッハ : アルマンド イ短調 BWV 835

Bach, Johann Sebastian : Allemande a-moll BWV 835

作品概要

楽曲ID:2276
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:アルマンド
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

執筆者 : 朝山 奈津子 (231 文字)

更新日:2008年4月1日
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J. S. バッハの弟子J. Ph. キルンベルガー(1821-1883)の作。ベルリンの国立図書館所蔵の資料(P 636)にのみ伝えられる。旧全集では「古い手稿譜、作曲者名記載なし」となっている。

全体は厳格な3声で、前半を下行形、後半を上行形が支配する。対位法的な展開や動機労作も簡単ながら丁寧にこなされているが、型にはまった主題確保と和声進行に習作としての感触がある。ただし、左右の手に連綿と受け継がれる旋律は流麗で、イ短調独特の透明感ある哀調に満ちている。

執筆者: 朝山 奈津子

演奏のヒント : 大井 和郎 (547 文字)

更新日:2023年10月30日
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この曲はオルガンヴァージョンもありますので、それも是非お聴きになって下さい。このアルマンドを演奏する際の助言としては2つあります。

1つは、音価のバランスの問題です。このアルマンドを観て頂くとおわかりになると思いますが、16分音符が必ずいつでもどこかの声部に入ってきていて、それが途切れると言うことがありません。最後の小節の2拍目の、ソプラノは、裏拍に8分音符が出てきますが、この瞬間もアルトがその下にいるため、16分音符が連続するようにきこえます。

故に、この曲はとても音量が大きくなりがちで、結果長く延びる音符、例えば2分音符や4分音符の伸びが16分音符によって妨げられる恐れがあり、音価のバランスが必要になります。即ち、音価の少ない16分音符などは最もppで演奏し、音価が大きくなるに従って音量を上げます。そうすることで音価の高い音符の延びも16分音符に妨げられること無く、人々の耳に届きます。

もう1つは、ソプラノとアルトの関係です。バスは、低い位置に離れているために、比較的聴き易いのですが、ソプラノとアルトは近距離にあり、声部の混同を招きかねません。故に、ソプラノとアルトの音質そのものを根本的に異ならせ、2声部を独立させて下さい。そのような意味でもオルガンヴァージョンを聴くと良いです。

執筆者: 大井 和郎
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