この曲はオルガンヴァージョンもありますので、それも是非お聴きになって下さい。このアルマンドを演奏する際の助言としては2つあります。
1つは、音価のバランスの問題です。このアルマンドを観て頂くとおわかりになると思いますが、16分音符が必ずいつでもどこかの声部に入ってきていて、それが途切れると言うことがありません。最後の小節の2拍目の、ソプラノは、裏拍に8分音符が出てきますが、この瞬間もアルトがその下にいるため、16分音符が連続するようにきこえます。
故に、この曲はとても音量が大きくなりがちで、結果長く延びる音符、例えば2分音符や4分音符の伸びが16分音符によって妨げられる恐れがあり、音価のバランスが必要になります。即ち、音価の少ない16分音符などは最もppで演奏し、音価が大きくなるに従って音量を上げます。そうすることで音価の高い音符の延びも16分音符に妨げられること無く、人々の耳に届きます。
もう1つは、ソプラノとアルトの関係です。バスは、低い位置に離れているために、比較的聴き易いのですが、ソプラノとアルトは近距離にあり、声部の混同を招きかねません。故に、ソプラノとアルトの音質そのものを根本的に異ならせ、2声部を独立させて下さい。そのような意味でもオルガンヴァージョンを聴くと良いです。