バッハ : アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳 第2巻 チェンバロ独奏曲 BWV Anh.129 変ホ長調
Bach, Johann Sebastian : Das zweiten Notenbuch für Anna Magdalena Bach Solo per il cembalo Es-Dur BWV Anh.129
作品概要
解説 (2)
解説 : 林川 崇
(317 文字)
更新日:2020年5月2日
[開く]
解説 : 林川 崇 (317 文字)
アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳に書き込まれた曲の中には、バッハの息子たちの少年時代の作品も含まれており、次男エマヌエルの作品も6曲ある。
その中で恐らく最後に書かれたこの曲は、左手の対位法的な処理、右手の旋律における3連符、シンコペーション、逆付点などの多彩なリズムの他、第17~19小節では、短調と長調を揺れ動く和声が使われ、繊細な感情表現が成されている点も注目される。これは父バッハもしばしば用いた手法で、後にエマヌエルの代名詞ともなった「多感様式」をも予感させる。
勿論、清書される以前に父による指導や添削はあっただろうが、それでも若いなりに趣向を凝らした曲となっており、音楽帳の他の5曲と比べて格段の成長振りを窺わせている。
演奏のヒント : 大井 和郎
(366 文字)
更新日:2024年4月21日
[開く]
演奏のヒント : 大井 和郎 (366 文字)
アレグロで、2/4ですので、本来であれば相当速いテンポで演奏されても良いのですが、16分音符の3連符や、トリル等を総合的に見たときに、あまりにもテンポを速くすることで生じるプレッシャーは、聴いている方に「忙しい」印象を与えます。
曲そのものは大変楽天的で、ウイットに富んだ楽しい曲に仕上がっていますので、極端に速いテンポによる速いパッセージは、曲の雰囲気とは少し違う気がします。
例えば16小節目、1拍目の頭に対して、休符が入ってきます。そして、左手は次に同じ音の連打になります。このような連打を大きく速く弾く演奏と、軽く、上品に、ゆっくり弾く演奏では雰囲気がガラリと変わってきます。
全体的なテンションはそこまで高くないとお考え下さい。意外な転調や、リズムの面白さを出すのですが、技巧的、挑発的ではなく、上品さ、楽しさを出してください。
楽譜
楽譜一覧 (9)

(株)全音楽譜出版社

(株)音楽之友社

(株)全音楽譜出版社

(株)音楽之友社

(株)音楽之友社

(株)音楽之友社

Neil A. Kjos Music Company