バッハ :5つの小プレリュード 第3番 BWV 941 ホ短調

Bach, Johann Sebastian:5 kleine Praeludien Nr.3 e-moll BWV 941

作品概要

楽曲ID:22585
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:0分50秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎5 応用1 応用2 応用3 応用4

楽譜情報:4件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (524文字)

更新日:2023年11月20日
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バッハの書くe-mollという調は、悲しみを表現する調です。平均律、インベンション、シンフォニア等のe-mollを思い浮かべると良いです。テンポは速いものと遅いものに極端に分かれる傾向が見られまが、このプレリュードは躍動的な感じも見られませんので、もしかしたら遅く弾く方が良いかもしれません。テンポ設定は最終的には奏者に委ねられますが、筆者であればゆっくり演奏するかもしれません。

その上で、曲はe-mollから始まり、8小節目でC-dur、11小節目でG-dur、それからハーモニックシークエンスを辿り、e-mollに戻ります。まずそれを把握しましょう。

そしてこのプレリュードには、最高音であるAが2箇所にあります。1つ目は、6小節目3拍目、2つめは、15小節目です。しかしながら、同じ最高音のAでも、1つ目のAはC-durに導かれる部分であり、穏やかと言え、対して2つ目のAは、テンションが高くフォルテになるべき部分にあります。この15~16小節間が、このプレリュードで最もテンションが高い部分と見なし、そこから先は下行して、最後にピカルディー終止で穏やかに終わります。

テンポが決まりましたら、次にこれらの情報から曲の強弱を決定してみてください。

執筆者: 大井 和郎