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バッハ :9つの小前奏曲 第5番 BWV 928 ヘ長調

Bach, Johann Sebastian:9 kleine Praeludien Nr.5 F-Dur BWV 928

作品概要

楽曲ID:22572
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:1分20秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用5 応用6 応用7

楽譜情報:3件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (584文字)

更新日:2024年1月8日
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このプレリュードは、同じF-durで書かれている、イタリアンコンチェルトを思い出させます。

このプレリュードは、コンチェルトの発想で弾いてみると良いかもしれません。基本的には2声から3声で書かれているプレリュードですが、時折、和音のブロックが入ってきます。例えば、1小節目3拍目の裏拍より、3つの和音が右手に現れます。この場合、アンサンブルで多くの楽器が鳴っていて、それが終わるとソリストがソロの部分を演奏するという、コンチェルトのアイデアです。

故に、和音が3つ連続で来る部分は、音量も大きくしてください。それは、例えば8小節目のように調が短調に変わっても同じく音量を大きくします。また、和音の来る部分は、和音のみでは無く、その和音が鳴っているときの他の声部も大きくします。

そのようなソリストとtuttiの交互のやり取りの面白さを表して見てください。

また、このプレリュードで気を配るべき点として、声部の独立があります。1つの方法として、アーティキュレーションで工夫ができます。例えば4小節目、左手の8分音符をスタッカートで弾き、右手の内声をレガートにすることで、声部が独立して聞こえます。さらにソプラノはアルトよりもハッキリと聴かせ、アルトを控えることで、より一層声部が独立します。

同様に6~7小節間、15小節目、23~24小節間なども、声部の混同に気をつけてください。

執筆者: 大井 和郎