バッハ :パルティータ 第1番 サラバンド BWV 825

Bach, Johann Sebastian:6 Partiten Nr.1 Sarabande

作品概要

楽曲ID:22561
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:サラバンド
総演奏時間:4分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展5 展開1 展開2

楽譜情報:12件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (656文字)

更新日:2023年4月16日
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多くの細かい音符が書かれていて、即興的に演奏するサラバンドです。多くの細かい音が、形式を把握するのを混乱させることもあるのですが、大きく考えるとシンプルでわかりやすくなります。

基本的には、主旋律は、DDD のように(1小節目1~2拍間)、同じ音が3つ並びます。一見すると、前半には、この3つの同じ音が並ぶ主旋律は、1~2小節間のみのように見えますが、8小節目の1~2拍間をご覧下さい。多くの細かい音符に埋もれていますが、ここもGGGという主旋律です。

考え方として、2拍目に向かうという癖のある旋律で、そういう意味から言えば、5小節目、1拍目の表拍にはCが書いてありませんが、それ以外は主旋律のパターンと似ていますね。この辺りの解釈は自由です。

前半、8小節目をピークポイントとしてください。1小節目、主旋律が、DDDであるのならば、2小節目、4度下がってAsAsAsの主旋律がきて、3小節目、右手の表拍の最初の音だけを抜粋すると、G F Es と順次進行で下行していることがわかります。そしてこの小節最後のEsの音は、次の小節の2拍目でDに降ります。1小節目のDからオクターブ下のDまで下がったことになりますね。

この先5小節目から調が変わりg-mollに移ろうとします。そして8小節目にたどり着くところがピークで、あとはF-durのまま12小節目で前半を終えます。10小節目の1拍目には、前半で最高音のAが来ますが、和声的、ムード的にはここは強い場所ではありません。

以上の分析を参考に、後半も分析してみてください。

執筆者: 大井 和郎