バッハ :パルティータ 第1番 クーラント BWV 825

Bach, Johann Sebastian:6 Partiten Nr.1 Courante

作品概要

楽曲ID:22560
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:クーラント
総演奏時間:3分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展5 展開1 展開2

楽譜情報:12件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (712文字)

更新日:2023年4月16日
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テンポの速いイタリアンタイプのクーラントです。付点のリズムと3連符の兼ね合い(奏法)に関しましては、未だに納得がいかない感じもあるのですが、3連符の最後の音と16分音符を同時に弾くようにします。

このクーラントは実にリズミカルでテンションの高いクーラントです。1小節目、最高音は3拍目の右手Fですが、2小節目はGに達します。シークエンスとは少し異なりますが、次に3小節目でAを期待してしまうところなのですが、実際はAを飛ばしてBまで達します。バス音も、1小節目はB、2小節目はG、3小節目は故にEsを期待してしまうのですが、実際にはDまで下がります。

4小節目、1拍毎の下行形シークエンスで1度落ち着きます。5小節目より2小節単位の上行形シークエンスが始まり、10小節目からは1小節単位の下行形シークエンスで、これまででは最も最低音である、Eに降りてきます。この13小節目からは再び1小節単位のシークエンスが始まり、この前半では最もテンションの高い部分の1つである、16小節目に達します。

そこからは、今までになかった、左手のアルペジオが下行しながら連続し、23小節目からは伴奏形が付点のリズムに変化し、そのまま前半を終えます。前半は一時的にF-durに転調しますが、それ以外の調にはいきません。

後半も同様のシークエンス等を繰り返し、g-mollに転調します。前半の分析を参考に、後半も動揺の分析をしてみてください。

これらの分析により、曲のムードを把握し、シークエンスを使ってダインミックを変化させ、楽しいクーラントに仕上げてみてください。左手付点のリズムは、個人的には少し大きめで、マルカートでも良いのではないかと思っています。

執筆者: 大井 和郎