バッハ :フランス組曲 第1番 ジーグ BWV 812

Bach, Johann Sebastian:Französische Suiten Nr.1 Gigue

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ジーグ
総演奏時間:4分30秒
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (803文字)

更新日:2018年3月13日
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このジーグは他のフランス組曲のジーグに比べ、「フランス風序曲」の影響を受けています。2拍子系で鋭い付点が特徴になります。実際に書かれてあるのは、付点8分+16分音符で1拍分ですが、それを、複付点8分+32分音符で1拍位に演奏しても差し支えありません。むしろそちらの方がフランス風序曲に近い演奏になります。

声部数は基本的に3声となります。

冒頭アルトからテーマが始まります。テーマは今のところ恐らく、2小節目の最初の音であるFまでとしておいた方が後々の分析が楽になります。2小節目でソプラノが入り、3小節目でバスが入ってきます。5-7小節間はシークエンスで、このシークエンスは上行系で音量を上げる役割を果たしますが、同時にa-mollへ転調する役割も果たしています。10小節目がこの前半のピークポイントとみて良いでしょう。前半はa-mollのまま、主和音で終わるのですが、ピカルディーサード(短調なのに長調の主和音で終わる終わり方)で終わっています。この場合、A Cis E になります。

そして後半はD-mollのV(属和音)から始まるのですが、前半最後をピカルディーサードで終わることで、後半の入りが実にスムーズになっているバッハの魔法です。そしてこの後半、前半1小節目の主題をそのまま上下逆さまにひっくり返した形から始まります。

さて後半ですが、最もテンションが高まるところは後半では何処の小節になるでしょうか?可能性は3つあります。

1 21小節目3-4拍目より22小節目1拍目まで

2 24小節目3-4拍目より23小節目1拍目まで

3 26小節目3-4拍目より27小節目1拍目まで

奏者が感じるピークを選び、強弱をコントロールすれば良いです。筆者であれば2番を選ぶかもしれません。

非常に威厳の強いジーグです。柔らかく横に流すのではなく、規律をきちんと守り、拍を感じ、プライドを高く持ち、堂々と演奏してみて下さい。

執筆者: 大井 和郎

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