作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(1049 文字)
更新日:2018年3月15日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (1049 文字)
この手のテンポがゆっくりで拍を刻む曲をハープシコードで弾くと、やはり硬く聞こえてしまう部分は仕方の無いことですが、ピアノで弾くからにはピアノの特性を活かしたいものです。ペダルを使い、横に流れるように弾くことを重点的に考えましょう。
曲はリピート記号をを境に前半・後半に分かれます。1-8小節間が前半で、9-24小節間を後半と考えます。3つに分ける場合は、1-8、9-16、17-24、とします。こちらの分け方でも構いません。
前半8小節を見ますとメロディーラインらしい声部は1つしか無く、ソプラノにそれが書かれています。他の声部は動きは少しはあるもののメロディーとまで呼べるようなメロディーは無いですね。
この前半を3つに分けると、1-2小節間、3-4小節間、5-8小節間に分けることが出来ます。まず、1-2小節間と3-4小節間を比較したとき、どちらの小節間の強弱がより大きいか、小さいかは奏者に判断を委ねます。2小節目と4小節目のみを比べれば、1-2小節間がGABと終わるのに対し、3-4小節間はFisGAと終わっていますので、3-4小節間のほうが弱いと感じる方もいるかもしれません。しかし3-4小節間の方がメロディーラインが高いEまで届いているということ、和声を比べたとき、4小節目のほうがより感情的であるなどの理由から3-4小節間のほうが大きいと判断しても構いません。
いずれにせよ5-8小節間ではメロディーラインが、オクターブ上のAまで達してしまいますので、5-8小節間が最も大きくすることは自然な事であると思います。ですから、5小節目で一度ダイナミックレベルを落とし、そこから8小節目に向かって徐々に音量を上げていけば良いでしょう。
後半は、メロディーラインが左手に現れますね。そうなると右手は伴奏重視の声部と思いきや、9小節目よりソプラノにメロディーらしき別の声部が入ってきますね。そしてそれは14小節目でテンションが最も高くなり、16小節目で下属調であるg-mollで終始します。17小節目、1小節目と同じメロディーラインなのですが、和音の性格から、こちらのほうは柔らかい優しい音で弾きます。
筆者は、21-24小節間というのは、5-8小節間と似ていると考えています。その理由から、5-8小節間のように、21-24小節間を徐々に大きくして行くと思います。好みの分かれるのは最後の小節(24小節目)で、大きくしたまま終わるか、V-I の和音の解決なので弱く終わるかは奏者に委ねられて良いと思います。
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